茨城新聞創刊130周年
いばらき
防災キャンペーン2021
災害への対応や備えを学ぶ「ぼうさい授業」=昨年12月、稲敷市阿波
東京海上日動 子どもの避難行動促す
 東日本大震災をきっかけに、損害保険大手の東京海上日動火災保険は小学生向け出前授業「ぼうさい授業」を展開している。子どもたちが災害発生時に命を守り、被害を最小限に抑えるための行動を促すのが狙い。同社の関口泰久茨城支店長(51)は「亡くなる人を一人でも減らすためには事前の備えがとても大きい。保険だけではカバーし切れないところをしっかりと伝え、広めていきたい」と話す。
 授業は「地震・津波編」と「水害・土砂災害編」の2種類。「地震・津波編」は震災の記憶が薄れないうちに学んでもらおうと2012年に始まり、今年で10年目を迎えた。
 対象は小学4~6年生と特別支援学校(高等部)の生徒。講師は東京海上グループの社員や代理店のスタッフがボランティアで務める。20年3月末までに全国で約680回、約4万8930人の児童生徒が参加した。
 授業時間は45分で理科、社会、総合学習などの授業時間を活用する。地震や津波について過去の被害や発生する仕組みを、イラストや映像を使って紹介。発生時に身を守るための対応を説明し、家族との連絡方法や待ち合わせ場所の確認、防災グッズの用意など、備えの大切さも伝えていく。
 県内では14年に開始し、延べ50校で55回開催。昨年12月には稲敷市立阿波小(稲敷市阿波)で実施した。講師を務めた茨城支店茨城南支社の横須賀里美さん(32)は普段、保険の営業を担当。代理店スタッフとの打ち合わせやリハーサルを行って本番に備えた。
 当日は子どもたちの興味を引くため、「参加型」を意識した。防災グッズの紹介では簡易トイレの組み立ての実演などが好評だったという。授業後はオリジナルの防災ハンカチなどをプレゼントし、防災について家族との話し合いを促した。同校での実施は4年連続。児童は防災に関する検定で合格率が向上するなど成果が上がっている。横須賀さんは「いつ、どこで起きるか分からないのが災害。一人でも多くの方に受講してもらい、命が助かればいい」と話した。

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