茨城新聞創刊130周年
いばらき
防災キャンペーン2021
物資が山積みされた県央総合防災センター=水戸市内
集積配送拠点を整備 支援物資を円滑供給
 うずたかく物資が積み上げられた広大な空間-。2017年、県が水戸市内に整備した備蓄の保管・集積拠点「県央総合防災センター」だ。19年10月の台風19号の水害時にも機能した。県は筑西市や取手市にある2カ所の「総合防災センター」と出先機関庁舎9カ所でも避難者用の食料や水、資材などを保管。計12カ所で分散備蓄し、大規模災害に備えている。
 県央総合防災センターは高速道路のインターチェンジ(IC)に近く、円滑な集積と供給を考慮した。床面積は千平方メートルで、地上6~8メートルの天井高。フォークリフトが行き来しやすい無柱構造と大型トラックでも入れる縦横幅広の扉が作業効率を向上させる。
 県によると、東日本大震災では物流が途絶え「公的備蓄」と民間の「流通在庫備蓄」の供給量が大幅に不足。支援物資受け入れや仕分け作業を行う場所もなく、物資輸送に支障が生じ、拠点整備が必要だった。発災時は国や他県からの支援物資の集積機能も果たし、市町村の2次集積所を経て、避難施設へと運ばれる。
 備蓄は「県西総合防災センター」(筑西市)や常総地方広域市町村圏事務組合が管理する「県南総合防災センター」(取手市)を合わせた3カ所のセンターに集中。さらに、県三の丸庁舎(水戸市)、日立保健所(日立市)、土浦合同庁舎(土浦市)など9カ所の出先機関に分散させ、備蓄施設の被災や輸送ルートが途絶えるなどの災害時のリスクに備える。
 物資の配送は緊急救援輸送協定を結ぶ県トラック協会などへの要請も視野に入れ、官民が連携して迅速な対応に当たる。
大型トラックの出入りも可能な県央総合防災センター=水戸市内

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